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コラム 事業承継税制を使った贈与と、役員退職慰労金の支給


今回は、事業承継税制の適用にあたり重要なポイントとなる、

退職慰労金の支給について考えてみましょう。

 

 

ビシネス

 

1.現経営者の事業承継税制の適用要件

経営者の間でも話題となっている事業承継税制の特例ですが、

適用を受ける場合の、最も重要な要件の一つが、現経営者の「代表」からの退任です。

適用を受ける場合には、2027年12月末までには、代表者を退任をし、後継者に株式を「贈与」する必要があるのです。

 

2.事業承継税制の検討事例

青森県にある鶴亀水産株式会社の山田社長(63歳)のケースです。

既に後継者は長男に決まっていますが、山田社長は、事業承継を焦る必要はないと考え、

代表を退くのも自分が亡くなった時で良いだろうと考えていました。

 

しかし、この度、新しくできた事業承継税制の特例を知って、

「税金を払わなくて良いなら、少し早いけど株式を贈与してしまおう」と、考え始めました。

 

漁船

 

上記のようなケースは、たくさんありそうですが、

実はこのタイミングで検討しておくべき重要なテーマがあります。

それが、「役員退職慰労金の支給」です。

 

 

社長の代表退任時期を10年以内に決めなくてはいけなくなった鶴亀水産ですが、

役員退職慰労金の準備はできているのでしょうか?

 

 

3.株式の贈与と役員退職慰労金(退職金)

退職慰労金の支給は、オーナー個人の立場、会社の立場、税務、財務など、

 

幅広い視点から検討が必要です。

 

具体的には、主に次のようなポイントで考えることとなります。

 

  1. オーナー個人のライフプランニングの観点

現経営者のこれからの生活資金は十分でしょうか?

会社から資金を得る方法は、今後限られますので、あらためて検討する必要があります。

 

  1. 会社の資金繰りと財務の観点

退職慰労金の支給が、会社の資金繰り面で、または財務面で大きな影響を与えないか、

注意が必要です。

オーナー企業で、会社への影響が懸念される場合は、生命保険で事前準備をしておくのが

良いでしょう。

 

  1. 株価評価の視点

贈与税は納税猶予されるので、もう評価引き下げのための退職金はいらないのでしょうか?

 

事業承継税制の特例の適用を受けた場合、

自社株にかかる贈与税は納税猶予されますが、現経営者に相続が発生した時に、

贈与を受けた株式は贈与時の株価で相続財産に加算され、相続税の計算が行われます。

 

したがって、贈与時の株価が高いと、自社株以外の財産にかかる相続税が高くなってしまいます。

リスクヘッジの意味でも、評価が低い時に贈与を行う方が良いのです。

 

新しい事業承継税制の適用に合わせて、お客様の退職慰労金の支払いのタイミング、支払い原資の準備が十分であるか、見直す必要があるでしょう。

 

事業承継税制については、こちらの動画もご覧ください。

 

イメージで学ぶ 事業承継税制の特例

公開日: 2018年11月07日 00:00

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