今回は、主婦のお客様からいただいた相談事例をもとに、少し変わった生命保険の使い方を考えてみましょう。
~ご相談の内容~
「父に認知症の懸念が出てきたため、法定後見制度を検討しています。
今まで私の子供の学費を代わりに支払ってもらっていましたが、法定後見後も支払って
もらうことができるでしょうか?」
~ 回答 ~
最近増えている、ご両親の介護に関するご質問ですね。
残念ながら、法定後見制度は本人の財産を守ることが主旨の制度であるため、原則として、対象の財産は本人の生活ためにしか使えません。
支出できるのは、本人と未成年の子の生活費のほか、借入金の返済や税金などにとどまり、お孫さんの学費の支払いは難しいでしょう。
財産を守るための法定後見制度ですが、安易に使ってしまうと、これまでと同じような生活ができなくなってしまうケースがあるのです。
検討する前に、必ず下記の注意点を確認しておきましょう。
法定後見制度の3つの注意点
1.親族でも財産を動かせなくなる
子どもが高齢の親の世話をしている場合などでは、親名義の預金も「同じサイフ」とみなして、一緒に生活されていることが多いと思います。
しかし、成年後見制度が適用されると、財産の管理が裁判所の関与によって行われますので、親族であっても財産に簡単には動かせなくなっています。
相談事例のような孫の学費の支援や、子どもたちの住宅購入資金の支援などはできなくなることを理解しておきましょう。
2.後見人の制度は簡単にやめられない
後見の業務は本人の判断能力が回復しないかぎり、原則として本人がご存命中は続くことになります。
一旦申請した後見制度は、相続時まで続くと考えておく必要があるでしょう。
3.後見人に選任されると事務負担が大きい
成年後見制度では就任から1ヶ月以内に本人の財産目録を作成して、裁判所に提出する必要があります。
また1年に1度は、家庭裁判所に報告書を作成・提出しなければいけませんから、それなりの事務負担がかかることを覚悟しましょう。
これだけでメリットがある制度ではありますが、ほかの親族や知人、さらには業者などがお金を目的に近寄ってくるような状況では
使わざるを得ないことも多いようです。
‐法定後見に備える生命保険‐
さて、本題です。
このような成年後見制度の課題に対応するために、事前に準備できることはないのでしょうか?
実は、この課題を、生命保険を使って解決することができるのです。
まだご本人の意思能力が認められる状況であれば、一時払終身保険を使うことで
将来、親が成年後見状態になっても、子が贈与を受ける仕組みを作れます。
しかも、年金保険とは異なり、贈与額は子がコントロールでき、年間110万円までであれば贈与税はかかりません。
生命保険の「増やす」「分ける」という機能に加え、「移す」という効果があり、
このような場面で特殊な機能を活かすことができます。
詳しい提案方法については、下記の動画もご覧ください。